韓国のバレーボール

12月10日火曜日、午後19時

韓国の常緑樹(サンロッス)にある体育館で

Ansan OK Savings Bank Rush & Cash のホームゲームが始まった。

相手はWoori Card Wibee、順位ではウリ銀行が上位に位置付けている。

 

 

日本のメディアによって韓国のスポーツが取り上げられることは少ない。

ましてや、バレーボールとなってはなおさらである。

今回、バレーボールの日韓の違いを見てみたいという思いも

訪韓を決意するにあたって大きくあった。

実際にどのような違いがあったのかを紹介していきたいと思う。

 

 

前提として、両者の運営方式に決定的な違いがある。

日本では昨年度からプロ化されたものの、実質的には企業が運営する

社会人スポーツのトップリーグとしてVリーグが存在する。

一方で、韓国では完全にプロ化が実現している。

試合の運営方式も異なり、韓国では7チームが総当たりで1日1試合ずつ行い、

その様子は毎日テレビで放映されている。

 

 

それは選手の報酬制度にも決定的な違いが表れており、

日本の選手はその企業の会社員と同等の給料であるが、

韓国の選手は、特にスター選手となれば数千万単位の年収を稼ぐことができる。

日本のプロ野球をイメージしてもらえれば想像がつくだろう。

もちろん、ドラフト制度やFA制度も存在する。

 

 

ただ、なんといっても会場の雰囲気が両者では決定的に異なる。

韓国ではプロスポーツとしての商業化がかなり成功している。

球場は完全にバレーボールを行う施設として設営されていて、

壁には選手のイラストが描かれている。

球場内にもホームチームの選手、そしてスタッフの紹介も描かれていて

巨大なスクリーンには選手のプレーが煌々と映し出される。

 

 

試合中の雰囲気も全くもって異なる。

各チームに応援団長のようなチャントを鳴らす人がいるが、

そこから繰り広げられる盛り上がりが決定的に異なる。

まるでクラブのDJかのようなマイクパフォーマンスで

観客を熱狂させ、一体感のある雰囲気を醸成させる。

 

 

その結果、日本ではプレーに対する一喜一憂の盛り上がりがある一方で、

韓国ではセット間やタイム中でも観客は総立ちとなり

手にしているチームのロゴが入ったカードを前後左右に振りまわし

音楽とリズムに合わせて体を震わせる。

単純にチームの応援をしているというより、

好きなアーティストのライブに来ているような、そんな盛り上がりを見せる。

 

 

OK銀行のホームゲームでは平日にも関わらず子供の観客が多く目立った。

プレーの良しあしというよりは、何かその場の雰囲気に魅せられているかのように

常に立ったままはしゃぎまわっていた。

一方で、OK銀行がアウェーで戦ったSuwon KEPCO Vixtormの試合では、

ケプコの観客数自体は多くないもののサポーターたちは前方に密集し

独特の熱気を生み出していた。

 

 

ただ、その商業化が必ずしも技術レベルの向上に結び付いているわけではない。

現地のスタッフや選手から

技術レベルにおいては日本の方が高いという声を多く耳にした。

潤沢な資金や熱狂的なサポーターはいるが

それを活かすだけの人的資源や選手の育成環境が整っていないと思われる。

その背景には指導法や組織としての運営能力に課題があるようという話を耳にした。

 

 

しかし、その資金力を武器に競技力向上に向けて

選手のマネジメント能力や戦術・技術・体力面の指導力向上の土台を築いていけば

韓国がアジアでNO.1のバレー大国になる日も遠くないであろう。

韓国バレーはまだまだ日本から学ぶところが多いと聞いたが、

日本のバレーボール協会ないしVリーグも韓国から学ぶべき点が多いのではないだろうか。